解体前に把握しておくべき整地の種類と仕上がりについて
どこまでやっておけばいいの?整地の依頼と仕上りの確認方法
皆さんは、解体工事後の土地の利用方法によって必要な整地方法や
仕上りに求める基準が異なる事をご存知でしたか?
「後から追加工事で整地を依頼することになった」
「整地後の仕上りが悪く基礎工事がストップしてしまった」
といった失敗の無いよう、整地方法や仕上りの良し悪しについてお伝えしたいと思います。
▽目次
整地後の仕上りが重要なワケ
解体工事を検討されているお客様には、
解体工事に必要な価格や、どの業者に依頼するかということばかりを考えて
解体工事後の整地方法や仕上りをあまり重視していない方が多く見受けられます。
実際に、整地方法や仕上りが悪いとどういった問題が起こるのでしょうか。
目的に適した整地をしておかないと別費用が掛かってくる
解体工事後に更地になった土地をどう利用するかをしっかりと決めて起きましょう。
古くなった家屋を解体して新築を建て直す場合や、畑にする場合など
整地後の仕上りが適切な状態になっていない場合、残ったガラや石、木片などの廃材の破片を拾い直すための
別費用がかかることもあります。
追加工事や、土地の売買に支障を来すことも
更地になった空地に新築一軒家やマンションを建てるといった場合、
「解体した家屋の基礎が残っていた」「廃材やガラなどを地中に埋めていた」
といったことが基礎工事に取り掛かる段階で発覚すると
予定していた工事がストップしてしまう可能性があります。
また、解体後の土地を売買する予定の場合も契約内容によっては
仕上りの状態が悪いと再度整地を要求されることや、
契約取引先との信頼性が損なわれる可能性もあります。
契約段階で「当初の契約に具体的な整地の指示が無かった」という場合などは
追加工事となり別途費用が必要になります。
解体工事を依頼する段階で、
更地になった土地はどういった目的で使用するか説明し
整地方法や仕上りに要求する条件などをしっかりと決めておきましょう。
目的に必要な整地方法などがわからない場合は解体業者や、
その後、建設工事を依頼する業者に確認を取っておくと良いでしょう。
整地方法にはどんな種類がある?
基本的な整地方法の代表例
粗整地
解体後にコンクリートガラ、こぶし大の石、木くず、ガラスなどを手や重機で拾い上げます。
必要に応じて、(重機の搬入が可能な場合は)その後に重機で踏み固める、転圧作業を行います。
トンボを掛けたり、ほうきでの清掃をすることも粗整地の一つです。
砕石舗装
粗整地よりも丁寧に細かくコンクリートガラ、こぶし大の石、木くず、ガラスなどを取り除き
レベルを整えた後に、再生クラッシャランなどの砕石を敷き
重機やランマー、振動ローラー、などで転圧し仕上げます。
砕石にも種類が複数あり、再生材の様な安価な物から単価が再生材の倍以上する高い素材まで様々です。
真砂土(まさど・まさつち)舗装
砕石舗装と同じく、
粗整地よりも丁寧に細かくコンクリートガラ、こぶし大の石、木くず、ガラスなどを取り除き
レベルを整えた後に、真砂土を敷き
重機やランマー、振動ローラー、などで転圧し仕上げます。
ガーデニング・植林用・庭土などに適しており、
土地売却の際に綺麗な土を盛り仕上げる場合などにも使用されます。
コンクリート・アスファルト舗装
水勾配などをしっかりと測り、砕石舗装した後(基礎砕石を10〜15cm程度敷き詰め)、
型枠やメッシュを入れた後にコンクリートで舗装します。
整地の範囲から外れ、外構工事の内容になります。
解体業者にもよりますが、外構工事にも対応できる業者であれば
解体工事と一式で発注することにより、
別途で他の業者に依頼するよりも割安になる可能性があります。
解体後の目的によって異なる整地方法
今後利用する予定のない土地
解体後に特に利用する目的もなく
立地上、土地の売却の可能性も少ないといった場合粗整地で十分でしょう。
処分費や材料費、運搬費や整地にかかる人件費も少なくて済むためコストも一番安くなります。
放置した空き地に草木が生え、手入れが大変になるようあれば
粗整地の上に再生クラッシャランなどの砕石を敷き詰めることもあります。
土地を地主に返還する場合
土地の所有者と上家の所有者が異なり、
解体後に土地を地主に返還する場合は、
土地を借りる際に契約した内容に従って解体、整地工事を行います。
庭木や樹木の伐採、抜根なども含まれることがあるため解体工事に取り掛かる前に
地主に相談、確認を行いましょう。
駐車場にしたい
駐車場が個人宅用であるか、コインパーキングなどの貸し出し用であるかによって異なります。
駐車場にする場合、基本的にはコンクリート舗装が多くなります。
(外構工事として追加の依頼になります)
また、コインパーキングにする場合はアスファルト舗装が大半です。
車を止めるスペースとして空き地を利用する程度であれば、
ご自身の求める状態で構いませんので砕石舗装で十分な場合もあります。
新築を建てる・土地を売却する
解体後に新たに建築物を建てる場合は、(解体業者と建設業者が異なる分離発注などの場合)
建設業者に仕上りに必要な条件を確認しておきましょう。
基本的には、
解体後の整地は基礎の撤去、コンクリートガラ、こぶし大の石、木くず、ガラスなどの取り除き
までとなり、レベル出しなどは土木工事に含まれます。
専門的な知識が必要なやり取りもある為、
分離発注(解体工事と建築工事をそれぞれ別業者に依頼する事)を行う際は
建設業者に分離発注を行う旨を伝え、それぞれの業者間でやり取りが出来る状態に
紹介しておきましょう。
土地を売却する場合も、売却先が決まっている場合は
引渡しの際の土地の状態を取決め契約内容に加えておきましょう。
畑にしたい
基本的に一般住宅の土質は硬く質の悪い土が多いため
畑などには適さないことが大半です。
いくら土の表面を耕し、良い培養土を入れても、その下の土質が硬い土では
土中の状態が悪く植物の根が育ちません。
良い土質の立地にある場合や、土作りから丁寧に行い畑にしたいという場合は、
コンクリートガラ、こぶし大の石、木くず、ガラスなど
地中に埋まった物がないように徹底的に取り除きましょう。
また、畑にする際に土を耕す必要があるため転圧などで土俵を固めずに
できる限り柔らかい状態で引き渡してもらうことをお勧めします。
(畑作りの作業であり、整地の内容には含まれません)
引渡しの際は仕上りも確認しよう
土地の整地後は、最終的にお客様立会いの上で引渡しとなります。
その際に、契約時に依頼していた仕上りの状態になっているか
しっかりと確認しておきましょう。
※契約時に依頼していない工事内容は、追加工事となり別途費用がかかります。
解体工事に取りかかる前に、しっかりと契約段階で整地や仕上りの状態を決めておきましょう。
主に注意する確認事項として
・大きな残留物が残っていないか
・解体工事で発生した廃材などを埋め戻ししていないか
・井戸や庭池などの埋設を依頼した場合はそちらの確認
・依頼した伐採、抜根の確認
・境界ブロックなどの状態確認
などがあります。
依頼した物が、解体・撤去されていない事の確認も大切ですが
壊してはいけない物や近隣の家屋などを傷付けていないか
前面道路の掃除がないがしろになっていないかなども確認しておきましょう。
解体後の土地管理にお勧めの整地方法
解体後、空き地を放置しておくと雑草などの草木が生い茂り
その後の土地の管理に労力や費用がかかってきます。
今後の土地の利用目的や管理に必要な費用を考慮し、
状況に応じて砕石舗装を検討してみてはいかがでしょうか。
敷き詰める砕石も
再生クラッシャラン・鉄鉱スラグ・バラスなどがあり
土地を売却するまでの一時的な期間の管理などであれば
再生クラッシャランで問題ないでしょう。
長期的に土地を放置しておく可能性がある場合は、
鉄鉱スラグやバラスなど、より草木の生えにくい砕石を使用しておくことで
管理にかかる労力や費用を抑えることが可能になります。
まとめ
実際には整地の種類や仕上りについては専門知識がないとわからないことが多く、
何が最適な状態か、見極めることが難しい項目ではないでしょうか。
解体業者や、その後の土地の利用者としっかりコミュニケーションを取り
工事が終わった後に、「また手を加えなければいけない」といったことが無いように
気をつけましょう。
施主様にとって、整地後にどういった仕上りにしておけば都合がいいかを把握し、
確認・提案をしてくれる解体業者を選ばれることをお勧め致します。
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