手バラシ(手作業での解体工事)が必要な家屋の対象とその理由

手バラシ(手作業での解体工事)が必要な家屋の対象とその理由

「解体工事」と聞くとユンボのような重機を使ってガシャっと壊してしまうイメージの方がほとんどではないでしょうか。

弊社が主とする手バラシ(手壊し)が必要となる解体工事の条件とその理由を実例を踏まえて解説致します。

▽目次

手バラシを必要とする解体工事の条件

手バラシを必要とする解体工事は、大きく分けて下記の二通りのパターンに分かれます。

手バラシが必要=重機で壊せない家屋

多くの解体工事はユンボ(油圧ショベル・パワーショベル)を主とする重機で行うことが大半です。

しかし、解体する家屋の立地条件によっては重機が入れない場合があり、そういった条件下では手バラシでの解体工事が必要になります。

安全面上、重機より手バラシ解体が向いている家屋

重機を使うメリットは「パワーとスピード」ですが、

隣の家屋との距離が近接している場合や、家屋の状態が不安定で倒壊する恐れがあるといった場合では

慎重かつ丁寧に解体していくことのできる手バラシの方が安全に行えるケースも少なくありません。

また、急な斜面で重機が安定して使えない場合破砕による粉塵・騒音など近隣への配慮が必要な場合にも手バラシが必要とされることがあります。

重機では壊せない家屋の実例

敷地に接する道路が階段状である敷地

階段の上にある家屋

階段の上にある家屋の場合、重機が入れない又は共有の階段を破損してしまう危険性があるといった理由から手バラシが必要となるケースです。

敷地に接する道路の幅が狭い

前面道路の幅員

敷地の前面道路が狭い場合も、重機が入れずに手バラシでの解体が必要になります。

旗竿地のような奥まった箇所にある家屋

旗竿地(はたざおち)のような奥まった箇所にある家屋も重機が入れない、または家屋同士が近接しており重機で壊せないことが多くなります。

手バラシをした方が安全な場合

家屋同士が近接している

近接した家

家屋同士が近接しており足場養生を立てられない場合などはその部分のみ手バラシで解体し、足場を掛けてから重機で解体するといった手法を取ることもあります。

長屋の切り離し

長屋の写真

複数の住戸が連なり、を共有するといった形式の長屋の一部のみを解体するケース。

この場合壁一枚の向こう側に住人が住んでいたり所有者が違ったりと非常に危険な解体工事となり手バラシでの慎重な解体工事が必要となります。

倒壊寸前の不安定な建物や前面道路の交通量が多い解体

重機で解体すると一気に倒壊してしまうような不安定な状態の家屋・交通量の多い前面道路側など危険な状態をある程度回避するために部分的に手作業で解体し

安全な状態を確保した後に重機で解体するといったことも実際の現場ではよくあります。

部分的に人力でしか行えない作業

上記で挙げたような、階段や幅員の狭い道路では仮に重機を入れることが出来たとしても

解体で発生した廃材の運搬作業は人力で運ぶしかありません。

また、廃材の処分は木材や石膏ボード・瓦などそれぞれに分別して廃棄しなくてはなりません。

重機での解体は構造躯体を取り壊すスピードは早いものの、混在した廃材を仕分けして廃棄する作業に時間がかかってしまいます。

手バラシでは一つ一つ構造躯体を崩していくので、廃材が混ざり合うようなことはありませんので結果的に工期は大きく変わらないこともあります。

手バラシの解体工事と補助金の関係性

北九州市では空き家の除去に伴う費用に対しての補助金制度がありますが、この補助金を受け取れる対象となる家屋の条件は

手バラシが必要な(重機では壊せない)解体工事であることが殆どです。

上記に挙げたような重機では壊せない解体工事の場合、困難な立地条件であることが多く通常の解体費用よりも単価が上がってしまいます。

また、そういった立地では再建築不可物件が多く放置された空き家になっている傾向が多いため補助金制度を設けた流れがあります。

こういった条件の空き家を解体する場合は、補助金制度の利用と手バラシを得意とする解体業者を選びを検討してみてはいかがでしょうか。

 

補助金については下記リンクもご参照ください

まとめ

解体工事には多くの方が連想している「重機で壊す解体工事」と、人力で解体していく「手バラシ解体工事」があり、

どちらも専門の知識と技術が必要になります。

解体工事をご検討中の皆様には、検討中の家屋の状態や立地条件を把握した上で適切な業者選択をすることで

費用の軽減や安全性の向上を計れることを知っていただければ幸いです。

 

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